December 10, 2017

〜薬膳についての12のこと #10

今回はおなかのおはなしです。

#08の充電池のたとえでおはなししたように、ひとは生まれた後、

食べ物や呼吸からからだを支えるエネルギー(後天の精)をつくります。

おなかは食べ物を消化して栄養を作り出す源(後天の本)。

おなかが元気にはたらかなければ、

どんなにからだに合った良いものを食べても栄養に変えることができず、

その効果は十分には得られません。

宋代(日本では平安時代)に書かれた中医学の古典『脾胃論』では

おなかが元気にはたらくことがいかに重要であるかが説かれていて、

現代でも学ばれている重要な一冊になっていま...

December 8, 2017

食べることとからだの関係(2) からだを養う食事、薬になる食事

〜薬膳についての12のこと #09

前回は食べ物が私たちの命、

生きるエネルギーの源になっているしくみのおはなしでしたが、

私たちは日々なにかを食べることで生きているということは

みなさん普段からなんとなくわかっていることだろうと思います。

今回はもう一歩進んで、薬膳の2つの役割、

①からだをつくり養う食事と、②治療のための食事についておはなしします。

【薬膳の役割①  からだをつくり養う食事】

疲れた時にごはんを食べると元気が回復する感覚は

普段から感じているのではないでしょうか。

食物は...

December 4, 2017

食べることとからだの関係(1) ひとは充電池と同じってどういうこと?

〜薬膳についての12のこと #08

12回の連載も後半。

薬膳についての、と銘打っているので、

そろそろ食べることとからだの関係のおはなしをしましょう。

実は、ひとは充電池みたいなところがありまして。
ひとが生きるエネルギーとして使えるものは主に2種類、

1つは受精時に両親からもらった生まれつきもっているエネルギー(先天の精)、

もう1つは出生後に自分の口で摂取した食べ物や呼吸でつくられるエネルギー(後天の精)です。

両親からもらったエネルギーを使い尽くすと一生が終わるとされ...

December 3, 2017

からだと病のしくみ(3) 今のあなたに「ちょうどよい」を大切に

〜薬膳についての12のこと #07

ちょっとかたい話がつづいてきたので、

もう少し身近なところからお話ししていきますね。

そもそも健康ってどういう状態のことでしょう?

病気やケガをしていない、疲れても寝たら回復する、

食欲があってお通じがよい、からだが丈夫で病気になりにくい、

こころが安定していて前向き、ぐっすり眠れる、

などいろいろな状態が思い浮かびますね。

中医学や薬膳が考える「健康」はひと言で言うと、

「過不足なくバランスがとれている」状態のこと。

そのバランスをとるための対処法はいた...

November 25, 2017

からだと病のしくみ(2)  病も健康も根っこから

〜薬膳についての12のこと #06

薬膳や中医学を取り入れているとお話しすると、

「こんな症状があるんだけど、何食べたらいい?」と質問されることがあります。

ごく一部の表面的な症状だけでは判断のしようがないというのが率直な答えなのですが、

もう一つ、

「何を食べるか」の前に

「何をやめるか」の方が大事

ということが言えると思います。

薬膳や中医学には「治病求本」という言葉があり、

根本の原因を探り、そこを治すことが治療の原則の一つとなっています。

ダメだとわかりながらつい手が伸びるお酒や甘いものが不調の原...

November 24, 2017

からだと病のしくみ(1) 木を見て、林を見て、森を見て

〜薬膳についての12のこと #05

「1日2ℓの水を飲む」という健康法は

だれしも一度は聞いたことがあるのではないかと思います。

基礎代謝が上がってダイエットに効く、不要なものを流し出してデトックスになる、

血液がサラサラになるなど、さまざまな理由で勧められていますが、

いずれも2ℓの水を摂取することでからだの中で起こることのうち

ほんの一部だけを取り上げて解説されているにすぎません。

そもそも、2ℓの水が必要かというと、

人間が1日に失う水分量は、吐く息や肌からの蒸発、尿や便からで約2〜2.5...

November 23, 2017

自然や環境とからだ(3) 時に応じて、地に応じて、人に応じて

〜薬膳についての12のこと #04

人間のからだと一口にいっても実際のからだは一人一人まったく異なります。

遺伝という一人一人異なる要素があることが一般的にも知られていますが、

中医学ではそうした生まれつきのもの以外にも

その人の年齢や性別、生活習慣、食生活、職住の環境、

社会的な環境、過労、加齢、心理状態などが組み合わさって

常に変わり続ける心身のバランスや健康状態に大きな影響を与えると考えられています。

年齢や性別については、

こどもはまだからだが未熟な状態なので大人と同じとはいきませ...

November 22, 2017

自然や環境とからだ(1) 暮らす風土と仲良く

〜薬膳についての12のこと #03

自然から受ける影響は季節だけではありません。

暮らす土地の気候風土も人のからだに大きな影響を与えます。

たとえば、瀬戸内に接する神戸と私の実家のある秋田、

東北北部・日本海側の地域では気候が大きく異なります。

春、桜が咲くのは神戸は3月末、秋田では4月末、

秋、コートを着はじめるのは神戸は11月後半、秋田では10月です。

前回、四季それぞれがもつ特徴の違いについてふれましたが、

春や秋が訪れる時期が違う、

つまり夏や冬がつづく長さが異なるということは、

その季節の影響を受け...

November 20, 2017

自然や環境とからだ(1)  川の流れにのるように

〜薬膳についての12のこと #02

日に日に冬へと向かっていくこの時期。

からだを動かすのが億劫になったり、眠気が強くなったり、

コクのあるものが食べたくなったりしませんか?

自分のからだとしては一つでも、

活動的になる夏真っ盛りの頃と比べると反応はだいぶ違ってきていますね。

冬眠に入る動物たちや色を変えた葉を落とす植物があるように、

人間のからだも寒さから身を守り無事に冬を越すために

使うエネルギーを最小にして命を守るようにできています。

私たち人間も哺乳類という動物の一種、

他の生き物たちと同じく自然...

November 19, 2017

薬膳の専門のコースで学びはじめて2年が過ぎてなお、まだまだ発展途上です。

知れば知るほど「薬膳ってこんなものかな?」とはじめる前に抱いていた想像や、

世間でなんとなく広がっているイメージとは大きくちがっているなと思います。

漢方薬に使われるような薬材を使わずにふつうの食材でもつくれる一方で、

自分のほしい効能をもつ食材をピックアップして

適当に組み合わせたら薬膳になるというわけではありません。

食材の効能うんぬんの前に、

食べる人のからだが今どんな状態であるかを医学の観点から正確にとらえ、

何が必要で何が不要かを判断した上でやっと何を使うか、どう調...

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